2019年10月16日~11月1日の水・木曜日の9日間で、東京大学農学部 水圏生物科学専攻の学部3年生を対象にナノポアシーケンサーを用いた学生実習を行いました。
実習内容としては、三四郎池、不忍池から池の水を汲んできて、どのような魚が生息しているかについて環境DNAを使って調査すること、池の水に生息している微生物をメタゲノム解析によって明らかにすることです。また、発酵食品に含まれる微生物についてもメタゲノム解析を行い、身近な食品で使用されている微生物について理解を深めることを目的としています。
汲んできた水は、環境DNA学会の 「環境DNA調査・実験マニュアル」(ver. 2.1) に従ってフィルタリング・DNA抽出を行いました。
また、発酵食品は「イカの塩辛」、「生ハム」、「ヨーグルト」、「チーズ」からそれぞれDNAを抽出しました。
抽出したDNAは、環境DNA用に魚類の12S rRNAと、メタゲノム用にバクテリアの16S rRNAをPCR増幅しました。
PCR産物は、オックスフォード・ナノポアテクノロジーズのシーケンサーMinIONを用いて、シーケンスを行いました。
シーケンスデータは、このページの解析手順で解析を行いました。環境DNAの解析で得られた結果としては、下記の表となりました。
三四郎池にはコイやブルーギルのDNAが多く検出されました。一方で、不忍池からはコイやドジョウが多く検出されました。